韓国政府が観光戦略発表 22年までに訪韓外国人客2300万人へ拡大
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は2日、ソウル近郊の仁川市で開いた「拡大国家観光戦略会議」で国の観光革新戦略について報告し、2022年までに韓国を訪れる外国人観光客を2300万人に拡大するとともに、今年の観光産業関連の雇用を58万人から96万人に増やすとの構想を発表した。
会議には文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめ、議長の李洛淵(イ・ナクヨン)首相、官公庁の長官・次官、地方自治体や観光業界の関係者ら約150人が出席した。
文化体育観光部はこの日の会議で、「国際観光都市」と「地域観光拠点都市」を育成すると明らかにした。地域観光の成功モデルを生み出すと同時に、観光客を地方に分散させる戦略だ。
このために同部はソウル・済州以外に世界的観光都市としての潜在力を持つ広域市1カ所を「国際観光都市」として育成することを決めた。一定水準の基盤施設を備えた地方自治体4カ所についても「観光拠点都市」に選定し、地域観光の中心地として支援する方針だ。
また、インフラなどが老朽化しているが潜在的競争力がある観光都市については、再生事業を経て「滞在型旅行地」とし、森・農村・釣りなどの体験型プログラムを開発することにした。
8月には済州で「韓国型MaaS(観光客視点による交通手段の検索・予約支援)」の試験サービスを実施する。「スマートヘルプデスク」や公衆無線LANサービス「Wi-Fi(ワイファイ)」の拡充により観光環境を改善する計画だ。
11月に韓国で開かれる「韓・ASEAN特別首脳会議」を機に、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国を対象に短期ビザの手数料を免除し、新南方国家を対象に「おもてなしウイーク」を運営するなど、韓国の魅力を積極的にPRする計画も紹介された。
観光コンテンツの革新に関しては、政府は韓流だけでなく非武装地帯(DMZ)を積極的に活用することを決めた。
これまで一般人の通行が禁止されていたDMZを市民に開放し、民間人統制線の北側地域の一部と撤去された監視所(GP)をつなぐ「平和の道」10カ所を造成。今年上半期に3区間を試験運営するほか、平和観光テーマ列車の運行も推進する。
また、撤去されたGPの残骸を活用した芸術プロジェクトやDMZ平和音楽祭、DMZ国際ドキュメンタリー映画祭などを通じて、DMZを「平和観光」の象徴として育てる方針だ。
韓流分野では、来年から大型K―POPフェスティバルを年2回定期開催するのに加え、コンピューターゲームの対戦競技「eスポーツ」を新たな観光形態として育成し、常設の競技場を作って国際大会を開催する。ソウルの大学路地域も観光資源として活用する。
海洋レジャー観光では「K―Oceanルート」を開発し、クルーズ・島の観光を活性化する。
このほか、観光産業の革新策も発表された。
政府は企業発掘、事業体融資支援がメインだった現在の観光産業政策を「起業準備―起業初期―成長―先導企業」など成長段階別の支援に転換することを決めた。
官庁間の協業を通じ、22年までに起業初期の観光企業1000社を発掘・育成するのが目標だ。
観光ベンチャー企業を公募して融合・複合観光企業の創業を支援し、事業化資金支援額もこれまでの企業当たり2250万ウォン(約220万円)から最大5000万ウォンに増額する。
金融資金の支援規模を製造業レベルに引き上げるため、「観光企業育成ファンド」を最大2000億ウォン規模に増やすほか、観光事業体が観光基金から融資を受けられるよう、今年中に「信用保証制度」を新たに導入する予定だ。
ynhrm@yna.co.kr