韓国外交部 対北朝鮮制裁の担当組織拡大へ=米と足並みそろえる?
【ソウル聯合ニュース】韓国外交部が5月ごろまでに組織再編を実施し、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁の履行を担う組織を拡大する方針であることが8日、分かった。局長級組織である原子力・非拡散(不拡散)外交企画官室の傘下の課長級組織、軍縮非拡散担当官室に所属している「制裁輸出統制チーム」を切り離して独立した「課」に格上げし、人員を増やす。原子力・非拡散外交企画官室傘下の課長級組織が2課から3課に増えることになる。
こうした組織再編は安保理制裁に関する業務が増えているため。制裁輸出統制チームは安保理制裁に関する事項を関係官庁に伝え、制裁に抵触する事案があれば関係官庁との協議を経て安保理傘下の北朝鮮制裁委員会に報告するといった業務を担っている。安保理が禁じる違法な洋上取引(瀬取り)で北朝鮮船舶に石油精製品を移し替えたり、北朝鮮産石炭の運搬に関与したりした疑いがある船舶が最近相次いで摘発され、韓国の港に留め置かれていることから、関連業務が急増しているとされる。
現在、安保理決議違反の疑いで港に留め置かれている船舶は外国船籍3隻と韓国船籍1隻の計4隻。また、瀬取りや北朝鮮産石炭の運搬への関与が疑われるパナマ船籍の1隻とトーゴ船籍の1隻が2月にそれぞれ釜山港、浦項港に入港したことを受け、韓国当局は調査のため出港を差し止めているとされ、係留措置を取る船舶は今後さらに増える可能性がある。
一部では、米国が北朝鮮への制裁履行を強く訴えているなか、韓国も関連組織を拡大することで足並みをそろえようとしているとの見方も出ている。
一方、外交部は今回の組織再編でアジア関連業務を担当する組織も拡大する。
中国と日本に関する業務を担う東北アジア局は中国関連業務のみを担当し、日本は切り離してオーストラリアやインドなどとまとめて別の局(仮称・アジア太平洋局)で担当する。
あわせて、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国に関する業務を専門に担うASEAN局を新設する。ASEANなどとの経済協力拡大を図る文在寅(ムン・ジェイン)政権の「新南方政策」に基づく再編だ。
これにより、アジア業務を担う外交部の組織は現在の東北アジア局と南アジア太平洋局の2局体制から3局体制に変わることになる。
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