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文大統領がオスロ大で演説 朝鮮半島平和へ対話の重要性強調

記事一覧 2019.06.12 19:56

【オスロ聯合ニュース】北欧3カ国を歴訪中の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日(現地時間)、ノルウェーのオスロ大で開かれたフォーラムで朝鮮半島の平和をテーマに演説を行った。

演説する文大統領=12日、オスロ(聯合ニュース)

演説する文大統領=12日、オスロ(聯合ニュース)

 文大統領は昨年シンガポールで初の米朝首脳会談が開かれてからこの日で1年になることに触れ、「2回目の朝米(米朝)首脳会談以降、対話が膠着(こうちゃく)状態にあるが、それは互いを深く理解する時間が必要なため」とし、「これまで70年にわたり敵対してきた心を溶かす過程」と説明した。

 いわゆる「オスロ構想」と呼ばれる今回の演説はシンガポールで米朝首脳会談が開かれてからちょうど1年になる日に行われたという点で象徴性が大きい。ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝会談以降、停滞状況にある対話を進展させるモメンタム(勢い)をもたらすのか注目される。

 文大統領は「1年前のきょう、史上初めて朝米の首脳がシンガポールで手を取り合い、両首脳は朝鮮半島の完全な非核化、新しい朝米関係、朝鮮半島平和体制の大きい原則に合意し、その合意は進行中」としながら、「トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の大胆な意思と指導力が大きく寄与した」と評価した。

 それとともに「今われわれに必要なのは、新しいビジョンや宣言ではない」とし、「互いに対する理解・信頼を深くすることで、これを土台に対話への意思をさらに確固たるものにすること」と強調した。

 このような指摘は米朝対話が停滞状況にあるものの、互いの信頼を高める過程にある点を強調したものと受け止められる。また初の米朝会談から1年になることに合わせ、金正委員長がトランプ大統領に親書を送ったことや、故金大中(キム・デジュン)元韓国大統領の妻、李姫鎬(イ・ヒホ)さんの死去を受け、金委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部第1副部長が弔意を伝えたことなどもあり、南北対話や米朝対話が近い将来再開されるとの見通しを示したとの見方もできる。

 文大統領は「2回目の朝米首脳会談以降も、朝米の首脳は変わることなく相手に対する信頼と対話意思を示している」とし、「国際社会は対話を通じた平和の実現に終始一貫した支持を送っており、今の状況を乗り切る上で大きな力になっている」と述べた。

 また「南北の住民が分断により被る構造的な暴力を平和的に解決することが重要だ」とし、「私はこれを『国民のための平和』と呼びたい」と強調した。

 文大統領は「境界地域の被害からまず解決されなければならない」とし、「1972年の東西ドイツ基本条約により設置された境界委員会は協力の良い事例で、東西ドイツは境界地域で火災、洪水、山崩れ、伝染病、病虫害、水資源汚染問題が発生した際、委員会を通じて速かに共同で対処した」と説明した。

 また「このような先例が朝鮮半島にも適用され、国民の間に平和に対する具体的な希望が育つことを願う」とし、「平和は自分の生活を良くするものという肯定的な考えが集まった時、理念・思想によって分かれた心の分断も治るだろう」と強調した。

 これは、事実上、非武装地帯(DMZ)など境界地域の管理のための南北間の機構設置を提案したものとみることができる。現在、板門店の共同警備区域(JSA)の非武装化が行われ、韓国側DMZに「DMZ平和の道」を造成する事業などが行われている。

 文大統領は「近隣諸国の紛争とあつれきの解決に寄与する平和でなければならない」とし、「現在、世界では冷戦が終息したが、朝鮮半島には変わらず冷戦構造が残っている。南北は分断され、北は米国や日本と国交を結んでいない」と指摘。「恒久的な朝鮮半島の平和定着は北東アジアに最後に残る冷戦構造の完全な解体を意味し、歴史と理念により長きにわたりあつれきがあった北東アジアの国に未来指向の協力へと進む機会が用意されるだろう」と強調した。

 朝鮮半島への平和定着が韓日または、日中の摩擦を解消するきっかけになるとの認識を示したものとみられる。

 文大統領は「朝鮮半島の平和が地域の平和と和解に寄与し、アジアと欧州の共同繁栄につながる日が1日も早く来ることを期待する」と強調した。

yugiri@yna.co.kr

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