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韓国 北朝鮮にWFP通じコメ5万トン提供=9年ぶり

記事一覧 2019.06.19 18:48

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が国連世界食糧計画(WFP)を通じ食糧難の北朝鮮に国内産のコメ5万トンを提供することを決めた。 

2010年10月、北朝鮮に送るため韓国の群山港で船積みされたコメ。韓国は水害を受けた北朝鮮住民のためにコメを無償支援した(資料写真)=(聯合ニュース)

2010年10月、北朝鮮に送るため韓国の群山港で船積みされたコメ。韓国は水害を受けた北朝鮮住民のためにコメを無償支援した(資料写真)=(聯合ニュース)

 韓国政府が国際機関を通じて北朝鮮に国内産のコメを提供するのは今回が初めてで、北朝鮮にコメを送るのは2010年以来、9年ぶり。

 統一部は19日に出した報道資料で、「政府は北の食糧状況を考慮し、これまでWFPと緊密に協議した結果、まず国内産のコメ5万トンを北に支援することにした」と発表した。

 また「今回WFPを通じて支援される食糧が北の住民にできる限り迅速に行き渡ることを期待する」とした。

 政府はWFPと輸送経路、日程などに関する細部協議を終えた後、南北協力基金からコメ支援に必要な資金を支出するため、南北交流協力推進協議会での審議・議決手続きを進める計画だ。

 コメは韓国内の港湾でWFPに引き渡され、北朝鮮への輸送はWFPが責任を負うことになる。

 統一部は「WFPとの協議、南北協力基金の予算、過去の事例、北の食糧不足分、国内のコメの需給状況などを総合的に考慮して支援規模を決めた」と説明した。

 今年の南北協力基金には北朝鮮に対する「救護支援事業」の名目で、815億ウォン(約75億円)の予算が組まれており、これにはコメ10万トンを支援するケースを想定した金額(国際相場基準)の608億ウォンが含まれている。

 政府は今回の支援の進行状況や北朝鮮の食料事情などを勘案し、追加の食糧支援についても検討を続ける計画だ。

 統一部は「北に対する追加の食糧支援の時期と規模は今回の支援結果などを見ながら今後決める」と説明した。

 北朝鮮の食料事情はここ10年間で最悪の状況にあり、今年(18年11月~19年10月)だけでも約136万トンの食糧が不足しているとする国連食糧農業機関(FAO)とWFPの調査報告書が先月3日に発表されたことを受け、韓国政府はすぐに対北朝鮮食糧支援の本格的な検討に入った。

 報告書発表の4日後には、韓米首脳による電話会談が行われ、対北朝鮮食糧支援に対するトランプ米大統領の支持を得た。

 さらに政府は今月初めに北朝鮮の社会的弱者を援助する国際機関の事業に800万ドル(約8億6700万円)を支援するための手続きを完了し、食糧支援についても検討を続けてきた。

 統一部は今回の支援について「生存の脅威を受ける北の住民のための最低限の緊急支援の性格を帯びている」とし、食料事情の改善に少しでも役立つことを期待すると説明した。

 また米朝間の肯定的な雰囲気作りにも寄与できるとし「韓米が協議して何の条件もなしに食糧支援を推進することにより、南北・朝米(米朝)間の信頼増進に寄与するだろう」との見方を示した。

 韓国政府は1995年、2002~07年、10年に国内産のコメを北朝鮮に提供したが、借款や無償支援の方式で直接支援した。 

 水害を受けた北朝鮮を緊急支援するため、10年にコメ5000トンを無償支援してからコメの提供は行われていない。

 政府は今回送られるコメが転用される懸念を減らすため、コメ袋に「大韓民国」と明記する。またWFPが構築した支援物資の分配・監視システムも稼動される。

 WFPは北朝鮮当局と必要な内容を協議するものとみられるが、南北対話が停滞しているなか、今回の支援について南北が直接意見を交換した可能性は低いものとみられる。

yugiri@yna.co.kr

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