40年までにPM2.5濃度をWHO基準に 韓国政府が環境総合計画
【世宗聯合ニュース】韓国環境部は、深刻な大気汚染の原因となっている微小粒子状物質(PM2.5)の濃度を2040年までに世界保健機関(WHO)の基準値レベルまで低減する目標などを盛り込んだ「第5次国家環境総合計画」(2020~40年)が10日に閣議決定されたと発表した。
国家環境総合計画は各分野の環境計画の方向性を提示し、各官庁の環境関連政策や地方自治体の環境保全計画の指針となる環境分野で最上位の法定計画だ。
計画は「国民と開く持続可能な生態国家」をビジョンに掲げ、七つの重点戦略を提示した。
その一つ、粒子状物質(PM)など有害な環境からの国民の健康保護に関し、政府は大気汚染物質を排出する石炭火力発電所の新規建設を中止し、今ある施設を大胆に減らす。究極的には脱石炭社会への転換を目指し、社会的対話にも取り組む。
あわせて、エコな燃料への転換誘導、排出施設の管理強化といった政策により、40年までにPM2.5の濃度をWHOの環境基準値(大気1立方メートル当たり年平均10マイクログラム)まで低減するという目標を提示した。
17年基準でソウルのPM2.5の濃度は1立方メートル当たり23マイクログラムと、米ロサンゼルス(同4.8マイクログラム)、日本の東京(同12.8マイクログラム)、フランス・パリ(同14マイクログラム)など他国の主要都市を上回る。
環境部の朱大栄(チュ・デヨン)政策企画官は、国家環境総合計画は長期的な政策の方向性を示したもので、PM2.5の削減に対する具体策は各分野の政策に盛り込むと説明している。
政府はあわせて、二酸化炭素などの排出が少ない低炭素社会の構築という戦略も樹立。40年までに電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)の販売比率を80%に引き上げることを目標に掲げた。EVとFCVの販売比率は18年は1.7%にとどまった。
政府はこのほか、産業のグリーン化や革新的な研究開発(R&D)により環境に無害なプラスチックやプラスチックに代わる物質を開発し、プラスチック製品の減量にも取り組むとした。
tnak51@yna.co.kr