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「新型コロナに共に打ち勝つ」 文大統領の訴えに共感=冨田駐韓大使

記事一覧 2020.04.09 10:00

【ソウル聯合ニュース】冨田浩司・駐韓日本大使は8日午後、大使公邸で聯合ニュースのインタビューに応じ、新型コロナウイルスを巡り、「韓国は日本にとって最も重要な隣国だ」として、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は(1919年に起きた独立運動記念日)『3・1節』の演説で両国が協力しながら現下の危機に打ち勝つと訴えた。日本側としてもこうした大統領の思いを共有しながら協力の促進に努めていきたい」との認識を示した。

インタビューに応じる冨田氏=9日、ソウル(聯合ニュース)

インタビューに応じる冨田氏=9日、ソウル(聯合ニュース)

 昨年12月に着任した冨田氏が韓国メディアのインタビューに応じるのは初めて。

 文大統領は演説で日本を中国などと共に新型コロナウイルスの克服に向けた協力の対象として言及し、「共に危機に打ち勝ち、未来志向の協力関係のため共に努力したい」と訴えていた。

 冨田氏は「両国は隣国として国際社会のリーダーとして感染症克服のため協力していくことが期待されている」と強調した。

 また、両国の協力で具体的な成果が上がっていると紹介。国外からの自国民の退避を巡り、アフリカのマダガスカルやケニア、フィリピンなどで韓国側が主導してチャーター機を手配し、日本人が同乗する形で退避が実現したケースがいくつか出てきているとして、「第三国で日韓協力が行われていることは非常に心強いと思っている」と述べた。

 東レの韓国子会社「東レ尖端素材」が韓国政府の要請を受け、3月末から慶尚北道・亀尾の工場でマスクの原材料となる素材の生産ラインを立ち上げ、1日に650万枚分に当たる素材を生産していることに言及し、「日系企業が韓国での感染対策に貢献していることを誇りに思っている」と述べた。

 ただ、韓国政府が各国に提案している企業人の例外入国に関しては、「新型コロナウイルスによる経済的な影響を最小化したいという思いは各国共通」とし、「各国とも目下の優先課題はそれぞれの国での感染症の拡大防止であり、感染者の重症化の阻止になるのではないかと考える。そうした状況の中で、感染拡大の防止策としての入国制限を何らかの形で緩和していくことにはさまざまな困難が伴うと考えている」と否定的な認識を示した。その上で、「韓国側の提案については感染拡大の収束に向けた動きを見つつ検討すべき課題」と述べた。

インタビューに応じる冨田氏(右手前)=9日、ソウル(聯合ニュース)

インタビューに応じる冨田氏(右手前)=9日、ソウル(聯合ニュース)

 韓国の新型コロナウイルスを巡る対応については、「韓国が非常に短期間の間に先進的で優れた防疫システムを構築したことは世界的に認められている」として、「特別入国手続きの導入や感染者・感染経路の情報公開のやり方など、韓国から学ぶべき取り組みが数多くある」と評価。「このような取り組みを政府のみならず地方公共団体、国民が協力し進められていることについては非常に大きな敬意を持っており、韓国で生活する者の一人として感謝している」と述べた。

 両国の最大の懸案の一つである韓国大法院(最高裁)の強制徴用判決の解決策に関しては、韓国の総選挙が1週間後に実施されるため、「このタイミングで個別懸案について踏み込んで話すことは適当ではない」と慎重な姿勢を示した。

 日本の対韓輸出規制強化措置の撤回問題に関しては、「日本側としては韓国側が持っている懸念に真摯(しんし)に対応してきているし、解決策が見いだされることを期待している」と述べた。

 冨田氏は駐韓大使として必要な資質として「楽観主義」と「忍耐」を挙げ、「二つのことを心にとめながら今後の任務に当たっていきたい」と抱負を語った。

kimchiboxs@yna.co.kr

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