Go to Contents Go to Navigation

「コロナ危機」克服へ 韓国政府が過去最大3兆円超の補正予算案

記事一覧 2020.06.03 11:41

【世宗聯合ニュース】韓国政府が、新型コロナウイルスの感染拡大による経済危機を早期に乗り越え、コロナ後の時代に備えるため、35兆3000億ウォン(約3兆1500億円)規模の2020年度(1~12月)第3次補正予算案を編成した。3日に開く臨時閣議で決定し、4日に国会に提出する。

韓国政府が2020年度第3次補正予算案を編成した(イラスト)=(聯合ニュース)

韓国政府が2020年度第3次補正予算案を編成した(イラスト)=(聯合ニュース)

 今回の補正予算案はリーマン・ショック後の09年の補正予算(28兆4000億ウォン)を上回り、単一の追加補正予算としては過去最大規模となった。韓国政府が第3次補正予算を組むのも半世紀ぶりだ。

 洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は「今回の補正予算案は韓国経済が新型コロナに始まった未曽有の危機を乗り越え、ポスト・コロナ(コロナ後)時代の新たな成長エンジンを創出するための重要な礎になるだろう」とし、「先導型経済への転換を加速させ、総力を挙げる」と述べた。

 補正予算案の財源のうち23兆8000億ウォンは赤字国債の発行で賄う。10兆1000億ウォンは支出の見直しで捻出し、1兆4000億ウォンは基金の余裕資金を充てる。

 35兆3000億ウォンの補正予算案の内訳は、歳出の拡大が23兆9000億ウォン、不足する税収を補てんするための歳入の補正が11兆4000億ウォン。

 歳出の拡大分23兆9000億ウォンは、危機状況の企業や雇用を守るための金融支援(5兆ウォン)、雇用・社会の安全網(セーフティーネット)の拡充(9兆4000億ウォン)、内需・輸出・地域経済の活性化(3兆7000億ウォン)、韓国型防疫モデル「K防疫」産業の育成と災難(災害)対応システムの高度化(2兆5000億ウォン)にそれぞれ投じる。

 コロナ後の時代の新たな成長への足掛かりを築くための「韓国版ニューディール」には5兆1000億ウォンを投じる。政府は「デジタルニューディール」と「グリーンニューディール」を両軸とする韓国版ニューディールに向こう5年で76兆ウォンを投じるとしており、その第一歩を踏み出すことになる。

 内訳を細かくみると、小規模商工業者や中小・中堅企業、主力産業・企業に対する緊急流動性供給のために実施している135兆ウォン規模の金融安定支援パッケージ対策のうち、82兆ウォンの流動性供給を支える財源を5兆ウォン盛り込んだ。

 新型コロナによる雇用ショックを和らげるために取り組んでいる雇用安定特別対策には8兆9000億ウォンを投じる。55万人以上の直接雇用の創出に3兆6000億ウォン、失業者に対する雇用保険の求職給付拡大に3兆5000億ウォンなどを充てる。

 また、下半期の消費拡大による景気回復を目指し、国民のおよそ3割に当たる約1600万人に農水産物購入や外食、宿泊、観光などで使える割引クーポンを支給する。

 投資活性化に向け200億ウォンを投じて海外から韓国に復帰する企業(Uターン企業)に対する専用補助金を新設し、輸出回復に向けては輸出企業に緊急流動性を供給する韓国貿易保険公社に3271億ウォンを拠出する。地域経済の活性化を図るため、老朽化した社会インフラの安全強化に5525億ウォンを投じる。

 防疫産業の育成とシステム補強も図る。製薬会社の新型コロナ治療薬・ワクチン開発支援に1115億ウォン、経営難に陥っている医療機関への資金融資に4000億ウォン、医療用保護具や人工呼吸器の備蓄に2009億ウォン、ウイルスが外に漏れないよう気圧を下げられる陰圧対応病床の拡充に300億ウォンをそれぞれ充てる。

 韓国版ニューディールに対する投資の第一歩として、デジタルニューディールに2兆7000億ウォン、グリーンニューディールに1兆4000億ウォン、雇用のセーフティーネット強化に1兆ウォンの総額5兆1000億ウォンを投じる。

 デジタルニューディールでは、全国の小中高校の約20万教室に公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」を整備し、学校で使用する旧型ノートパソコン20万台を交換する。

 また、保健所や地域の医療機関を中心に、糖尿病や高血圧といった慢性疾患を持つ人など8万人を対象としてウエアラブル機器やモバイル機器を活用した遠隔健康管理を開始する。

 温室効果ガスの削減など気候変動に対応するグリーンニューディールでは、2352億ウォンを投じて老朽化によりエネルギー効率の落ちた公共施設に対する「グリーンリモデリング」に着手する。老朽化した公共賃貸住宅や保育園、保健所、学校などに高効率の断熱材を設置し、換気システムを補強してエネルギー効率を高める。

 過去最大規模の赤字国債発行により、財政健全性を示す指標もこれまでになく悪化する。20年の国内総生産(GDP)に対する政府債務の比率は43.5%と過去最高に上昇することになる。

 政府は、補正予算が国会で成立すれば3カ月以内に同予算の75%以上を執行する方針にしている。

tnak51@yna.co.kr

注目キーワード
スクラップの多い記事
more
more
ホーム ページのトップへ
情報をお寄せください
聯合ニュース日本語版では、イベントの開催告知、取材案内、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報をお待ちしております。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。
お問い合わせ
聯合ニュース日本語版に関する記事やコンテンツ使用などについてのお問い合わせは( japanese@yna.co.kr )へ。 イベントなどの開催告知、取材要請、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報も同メールアドレスで受け付けています。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。