北朝鮮の19年成長率0.4% 3年ぶりプラス=韓国中銀
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は31日、2019年の北朝鮮の実質国内総生産(GDP)が前年比0.4%増加したと推定されると発表した。3年ぶりのプラス成長だが、主要産業である鉱工業の成長率は依然としてマイナスで、今年は新型コロナウイルスの影響もあり、本格的な回復とは見なし難い。
北朝鮮がプラス成長に転じた理由について、韓銀の関係者は「国連安全保障理事会による対北制裁が17年末以降は強化されなかったことが影響した」との分析を示している。
19年の産業別の成長率は、農林漁業が1.4%、建設業が2.9%で前年のマイナスからプラスに転じ、鉱工業はマイナス0.9%でマイナス幅が縮小した。
韓銀の関係者は「18年は主要作物の生育期間に猛暑や干ばつ、台風などがあった影響で農業生産が低調だったが、19年は気象条件が改善した」とし、建設業の成長については「観光地区開発のための建設作業を活発に行い、電力拡充に向け発電所の工事を本格化させたことが影響した」と説明した。
一方、19年の北朝鮮の名目国民総所得(GNI)は35兆6000億ウォン(約3兆1200億円)で、韓国の1.8%水準だった。
19年の貿易額は前年比14.1%増の32億4000万ドル(約3400億円)。輸出は14.4%増の2億8000万ドルで、時計・時計部品や履物・帽子・かばんの輸出増が目立った。
輸入は14.1%増の29億7000万ドル。繊維製品、プラスチック・ゴム、植物性製品などを中心に増加した。
韓銀は、今年は新型コロナの感染拡大を防ぐため中朝国境を封鎖した影響で、中国との貿易が大幅に縮小したとの見方を示している。北朝鮮の貿易に中国が占める割合は95%に上る。
韓銀は1991年から、関連機関からデータを取り寄せて北朝鮮の経済成長率を推計している。
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