済州島ビザなし訪問中断から半年 外国人激減で観光産業大打撃=韓国
【済州聯合ニュース】韓国政府が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外国人が査証(ビザ)なしで南部の済州島を一定期間訪問できる制度を2月4日に中断してから約半年がたち、地元の観光産業の被害も膨らんでいる。この制度は外国人観光の促進のため2002年に導入されたが、中断は今回が初めてとなる。
済州観光協会によると、2月4日から7月30日にかけて済州島を訪れた外国人観光客は3万4256人で、前年同期比95.8%減少した。
済州島を訪問した外国人客は昨年には月平均14万人に上っていたが、新型コロナの影響で最近は月に1000~3000人程度にとどまっている。
外国人客の激減による地元経済の被害は甚大だ。
済州島と日本、中華圏、東南アジアをつなぐ航空路線の運航は、ビザなし訪問の中断と新型コロナの感染拡大を受けて2月半ばごろに完全に途絶えた。
格安航空会社(LCC)のジンエアーが7月半ばに済州島と中国・西安を結ぶ路線の運航を再開したものの、復路便で韓国に入国する際は新型コロナの防疫上の理由から済州ではなくソウル近郊の仁川国際空港で降りることになるため、この路線で済州島入りする外国人客はいない。
外国人客、特にビザなし訪問制度の恩恵を受ける中国人を客とする中小規模の地元ホテルは、事実上の開店休業状態にある。外国人の客足が途絶えただけでなく、韓国人客も高級ホテルやリゾートホテル、高級ペンションなどを好む傾向にあることから、繁忙期のはずの8月も予約率は30%に満たない。
外国人向けの団体ツアーを運営する旅行会社、レストラン、チャーターバスなども一部は廃業に追い込まれており、免税店や外国人専用カジノさえも休業を余儀なくされている。
済州島を行政区域に持つ済州道によると、今年1~5月の地元観光産業の被害額は1兆5107億ウォン(約1300億円)と推計される。韓国人客は一部に回復の兆しが見えるものの、外国人客はいつ戻ってくるかも分からず、不安は大きい。
済州観光協会は「実際に観光の現場で感じる被害規模は推計額よりはるかに大きい」とし、地元の観光業で倒産が相次ぐ前に対策を立てるべきだと訴えている。
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