北朝鮮軍 韓国人男性を銃撃後に焼却=上層部の指示で
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2020.09.24 14:49
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が韓国北西部の小延坪島付近で漁業指導船乗船中に行方不明となっていた韓国公務員の40代男性を北朝鮮側の海上で射殺し、油ををかけて遺体を燃やしたことが24日、分かった。新型コロナウイルスの防疫措置の一環とみられるが、非武装の民間人を残忍に射殺したことから、南北関係に少なくない影響を与えそうだ。
韓国軍当局によると、男性はライフジャケットを着用し、浮遊物に乗って気力を失った状態で22日午後3時半ごろ、北朝鮮南西部・黄海南道にある水産事業所の船舶によって発見された。北朝鮮側の船員が防毒マスクや防護服姿で一定の距離を維持しながら、男性から訪朝の経緯などを尋ねたとみられるという。その後、同日午後9時40分ごろ、取締艇に乗った北朝鮮軍が男性に銃撃を加えた。軍関係者によると、銃撃前に上層部の指示があったとみられるという。
同日午後10時10分ごろ、北朝鮮側の海上で油をかけて遺体を燃やし、延坪島からも炎の明るさが確認されたという。
軍当局は船に靴を残していたことなどから、男性が自らの意思で北朝鮮入りを試みたと判断している。
だが、男性が北朝鮮側で発見されたことを確認したにもかかわらず、射殺されるまでの5~6時間の間、北朝鮮側と連絡を取るなどのいかなる措置も行わなかったことは不適切との指摘が出ている。軍関係者は「そこ(射殺)までするとは思わなかった」と述べた。また、韓国側の情報資産が明らかになることも懸念したと伝えた。
軍当局は23日午後、国連軍司令部を通じて北朝鮮側に通知文を送り、行方不明者がいることを伝えて回答を求めたが、これまで返信はないという。
kimchiboxs@yna.co.kr