ベルリンの少女像 撤去はいったん見送り=当局「妥協案探る」
【ベルリン聯合ニュース】ドイツの首都ベルリン市ミッテ区は13日、旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」の設置許可を取り消したことを巡り、像の設置を主導した韓国系市民団体「コリア協議会」が決定の効力停止を求める仮処分を裁判所に申請したことを受け、14日までとしていた撤去要請は無効になったと発表した。裁判所の判断を待つという。像の撤去はいったん見送られた。
ミッテ区のフォンダッセル区長は「複雑な論争のすべての当事者の立場とわれわれの立場を十分に考えたい」として、「コリア協議会の利益と日本側の利益が公正に扱われる妥協案を探る」と表明。また、「ミッテ区は時間や場所、理由を問わず、武力の衝突過程で発生する女性に対するあらゆる性暴力を糾弾する」と強調した。
これに先立ち、フォンダッセル氏は区役所前で開かれた少女像撤去の反対集会に登場し、仮処分申請で時間ができたとして、「バランスの取れた解決策を議論したい」との考えを示した。その上で、「数日間、少女像に関連する歴史を学んだ」とし、「市民の参加が印象深かった」と述べた。
また、ベルリンに在住する多くの日本人から少女像の設置に反対する書簡を受け取ったとして、日本政府の圧力を受けて像の設置許可を取り消したわけではないと説明した。ドイツ連邦政府とベルリン州政府からも問題提起があったという。
ミッテ区は7日、少女像が国際的な戦争被害女性の人権問題であることを認め、設置を許可した。だが、9月末の像の除幕式後、日本側の反発を受けて設置許可を取り消し、今月7日、コリア協議会に14日までの撤去を要請していた。
フォンダッセル氏は緑の党所属で、同党内部からも少女像の撤去決定に反発する声があり、連立与党の一角を担う社会民主党(SPD)からも批判が出ていた。
ベルリンの市民ら約300人は13日、少女像前からミッテ区役所まで約30分間行進し、集会を開いて設置許可の取り消しの撤回を求めた。
少女像は碑文を修正して残す方向で折り合う可能性があるとの見方が出ている。ミッテ区は設置許可の取り消しの理由として、碑文が韓国側の立場から日本を標的にしているとしていた。慰安婦問題の普遍的な価値を強調するため、国際的な戦争被害女性問題に関する内容が追加される可能性がある。市民団体の関係者は「碑文を追加的に設置する案など、いろいろなことが議論できる」として、「戦争被害女性問題に関する教育拡大なども議論の対象」と述べた。
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