韓国中銀本館の定礎石 伊藤博文の自筆と確認=文化財庁
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2020.10.21 15:30
【ソウル聯合ニュース】韓国文化財庁は21日、ソウル市中区所在の韓国銀行(中央銀行)本館(史跡第280号)の定礎石に刻まれた「定礎」の文字について、専門家と調査を実施した結果、初代韓国統監を務めた伊藤博文元首相が書いたものであることを確認したと発表した。
与党「共に民主党」の田溶冀(チョン・ヨンギ)議員は今月12日、国会による文化財庁への国政監査で、1918年に朝鮮銀行が発刊した英文雑誌「朝鮮と満州の経済概要」のコピーを提示し、「この本の6ページに『この建物の定礎石は伊藤公爵の自筆により製作された』との説明がある」と明らかにしていた。
国民の関心が高まったことを受け、文化財庁は20日に字体の専門家3人とともに調査を行った。浜松市立中央図書館のホームページにある伊藤の筆文字と、「朝鮮と満州の経済概要」に掲載された当時の定礎石の写真などを参考に調べた結果、定礎石に刻まれた「定礎」の文字が伊藤の文字の特徴を備えていることを確認したという。
これまでも「定礎」の文字を書いたのは伊藤と推定されていたが、文字の左側の作成者の部分が消されており、確証が得られていなかった。
文化財庁はこうした考証の結果をソウル市と韓国銀行に通知する。同行から案内板の設置や「定礎」の文字の削除など文化財の現状変更許可の申請があれば、文化財委員会での審議などを経て管理策を設ける方針だ。
韓国銀行本館は1907年に着工、1909年の定礎後、1912年に朝鮮銀行本店として完工。日本はこれを通じて経済侵奪を行った。日本による植民地支配からの解放後、1950年に韓国銀行本館となった。この建物は1987年の新館建設に伴い、現在は貨幣博物館として使用されている。
tnak51@yna.co.kr