韓国首相が「バイデン時代精神」に言及 大統領選挑戦を示唆
【世宗聯合ニュース】2022年韓国大統領選の与党陣営の潜在的な候補と目される丁世均(チョン・セギュン)首相が、民主党のバイデン前副大統領の勝利に終わった米大統領選を巡り「時代精神は統合と実用だ」と発言したことが注目を集めている。政界では、丁氏が「バイデン時代精神」に言及したこと自体が、大統領選への挑戦を遠回しに示唆したものだとの見方が出ている。
丁氏は10日、就任300日に合わせて開いた記者会見で、自身が大統領選候補として取り沙汰されていることについて、「他のことを考えるより、今私に与えられた責務を果たすことに集中している」として即答を避けた。
一方で、バイデン氏の勝利の理由に言及。「米国の国民がバイデン氏を選んだ時代精神に注目する必要がある」と指摘し、「米国民は分裂や不安定、対決と反目を拒み、癒やしと統合、実用と包容の道を提示したバイデン氏を次期大統領に選んだ。それが時代精神だ」と強調した。
また「バイデン氏は品格を備えた政治家。安定感もあり経験が豊富で、包容の政治ができる人」だとし、「そうした部分はわれわれに示唆するところも非常に大きい」と述べた。
丁氏が分析した「バイデン時代精神」と、丁氏の政治的な目標の間に一致する部分が少なくないことから、丁氏がバイデン氏に絡めて自身の強みをアピールしたものとの見方が出ている。
丁氏は普段から統合・実用のリーダーシップを強調し、首相就任と同時に「統合の首相」「経済の首相」になると宣言した。また、紳士的な政治活動を行った国会議員に贈られる白峰紳士賞を15回受賞している。
丁氏は国会議員を6期務め、国会議長も経験した。バイデン氏も上院議員を6期務め、副大統領として上院議長を兼務した経歴を持ち、両氏には共通点がある。
政界の関係者は「丁氏は大統領選への挑戦を表明していないが、『バイデン時代精神』に自身が合致する点を明確にすることで、事実上、自身が次期大統領の時代精神だということを強調したのでは」と話している。
tnak51@yna.co.kr