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日本の輸出規制から2年 中核品目の供給網安定化で進展=韓国

記事一覧 2021.06.27 14:57

【ソウル聯合ニュース】2019年7月に日本政府が半導体などの製造に必要なフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材、フォトレジスト)の3品目の対韓輸出規制を強化してから2年が経とうとしているが、中核品目の需給環境が安定的に維持され、韓国の産業現場に大きな問題はない。

日本政府は2019年7月に韓国に対する輸出規制に踏み切った=(聯合ニュースTV)

日本政府は2019年7月に韓国に対する輸出規制に踏み切った=(聯合ニュースTV)

 輸入先の多角化で、素材・部品分野の日本への依存度が下がり、一部の素材・装備(装置や設備)の国産化に成功するなどの成果も出ている。

 ただ、中核素材・部品の場合、依然として日本の影響力が大きく、装備分野での国産化率が低いため油断はできず、供給網の安定化に向け、日本を完全に排除せずに競争力を備える努力が必要だとの指摘が出ている。

◇輸出規制3品目の対日依存度は低下

 韓国貿易協会によると、今年1~5月の極端紫外線(EUV)用フォトレジストの輸入のうち、日本からの輸入が占める割合は85.2%で、前年同期(88.6%)より3.4ポイント、19年1~5月(91.9%)に比べると6.7ポイント下がった。年間では19年の88.3%から昨年は86.5%に下落した。

 輸出規制後、国内業界がベルギーを通じてフォトレジストを迂回(うかい)輸入した効果が表れたためとみられる。今年1~5月のベルギーからの輸入が占める割合は9.8%で前年同期(5.8%)より4.0ポイント上昇した。19年1~5月に比べ9.4ポイント高い。

 フッ化ポリイミドも日本からの輸入の割合が今年1~5月に93.6%と、前年同期(93.9%)より0.3ポイント下落した。年間では19年の93.0%から昨年は93.8%にやや上昇した。

 高純度のフッ化水素(エッチングガス)は今年1~5月の日本からの輸入の割合が13.0%で前年同期(12.3%)より0.7ポイント上昇したが、19年1~5月(43.9%)に比べると3分の1の水準に下落した。

 3品目とも今年1~5月の日本からの輸入額が前年同期に比べ増えた。フォトレジストが6.0%、フッ化ポリイミドが10.6%、フッ化水素が15.3%それぞれ増加した。

 フォトレジストとフッ化ポリイミドは19年1~5月と比べても輸入額が増えたが、フッ化水素は輸出規制前より80%以上減少した。昨年のフッ化水素の輸入額は938万ドル(約10億4000万円)で2003年(738万ドル)以降、17年ぶりに1000万ドルを下回った。

 韓国のシンクタンク、産業研究院のキム・ヤンペン専門研究員は「輸入額の増加は、半導体市場が全体的に拡大し需要が増えたため」とし、「輸入の割合をみると日本への依存度が少しずつ低くなっているのは明確な事実だ」との見方を示した。

 素材・部品分野全体の対日依存度は過去最低となった。

 産業通商資源部の素材部品総合情報網によると、今年1~4月の韓国の素材・部品の累計輸入額647億9500万ドルのうち、日本からの輸入額は96億9600万ドルで15.0%を占めた。前年同期(16.1%)に比べ1.1ポイント下がり、関連統計の作成が始まった2001年以降で最低だった。

◇国産化の進展で生産施設も拡充

 輸出規制3品目は国内の生産施設が早く拡充され、需給環境が安定的に維持されている。

 安全保障上の重要性と産業への波及効果が高い100大中核品目に対する集中管理も順調に行われている。

 輸入先を欧州連合(EU)、米国などに多角化する一方、品目別に平均的な在庫水準を既存の2倍以上に拡充した。

 100大中核品目を含む338以上の世界中核品目に関連しては7000社余り対する需給動向のモニタリングを常時行い、今年5月までに需給問題1205件(99%)を解消した。

 また、政府が19年から補正予算で支援した素材・部品・装備分野の研究開発(R&D)事業に乗り出してから1年半で売り上げ2151億ウォン(約211億円)、投資3826億ウォンの経済効果と、雇用385人、特許出願271件の効果が発生した。

 日本の輸出規制から2年間で多くの成果があったが、まだ道のりは長いとの指摘が出ている。

 高付加価値の先端素材分野で日本の影響力がまだ大きく、装備分野の国産化率が低い。半導体装備は海外依存度が80%に上る。

 結局、素材・部品・装備分野の根本的な競争力強化に向けさらに多くの投資と時間が必要であり、政府と企業の努力が継続されなければならない。

 キム専門研究員は「過去2年間、わが国の産業に被害がほぼなかった。日本の輸出規制の目標達成が事実上失敗したとみるべきだ」との見解を示した。その上で、供給網安定化の側面で日本との協業を排除することは難しいが、今後も輸入先の多角化、国産化を続け、日本との交渉を有利に進められるようにしなければならないと指摘した。

hjc@yna.co.kr

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