韓国大統領選 野党・尹錫悦氏が当選=5年ぶり政権交代へ
【ソウル聯合ニュース】9日に投開票された韓国大統領選で、保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長(61)の当選が事実上確定した。新政権は5月に発足する。
尹氏は10日午前3時50分ごろ事実上当選を決めた。開票率が98%となる中、1604万票(得票率48.59%)を獲得した。革新系与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事との投票数の差はわずか26万票で、得票率の差は0.8ポイントだった。
開票中盤までは李氏が優勢だったが、開票率が50%を超えてから尹氏が逆転。尹氏が約1ポイントの差でリードする大接戦が続いた。
韓国の歴代大統領選の中で得票数の差が最も小さい選挙となった。これまで1位と2位の得票数の差が最も小さかったのは1997年の大統領選で、当時の金大中(キム・デジュン)候補が39万557票の差(得票率の差は1.53ポイント)で当選していた。
今回は有力な第3の候補がなく、事実上の保革対決の構図となり、革新系と保守系の支持層が結集した。
有権者4419万7692人のうち3407万1400人が投票し、投票率は77.1%となった。前回より0.1ポイント低い。期日前投票の投票率が36.93%となり、過去最高を記録したが、本投票の投票率が予想より低く、80%の大台には及ばなかった。
尹氏の当選により、保守系が5年ぶりに政権を握ることになった。1987年の大統領直接選挙制の導入後、保守系と革新系が10年周期で政権交代してきたが、今回は5年ぶりの政権交代となる。
1987年以降、国会議員の経験がない人物が大統領選に当選したのは初めて。尹氏は昨年3月に検事総長を辞任し、同6月に大統領選に出馬する意向を表明した。
現文在寅(ムン・ジェイン)政権で検事総長に抜てきされた「エリート検事」が政権交代を実現させたことも逆説的だ。政権交代に伴い、政治・外交・経済・社会など全分野で大きな変化が予想される。
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